『警官嫌い』 エド・マクベイン




1956年、エド・マクベインが発表した、『警官嫌い』 は、
その後の警察小説の新しい流れを作った、代表的な作品である。


『87分署シリーズ』 の中で描かれた警察署に、
ダイナマイトを持った人間が立てこもるエピソードなどは、
多くの模倣作品が作られた。


シリーズ第一作、『警官嫌い』 は、
日本の刑事ドラマや2時間サスペンスでリメイクされている。


物語は、アメリカの架空の都市アイソラ市で、
刑事達が拳銃で殺害される事件が続発する。


刑事達は地道な捜査を続けるが、
直接犯人に結び付く手掛かりは、何も得られない。


焦りが募る中、次の警官殺しが起きる――。


このシリーズの新しかったポイントは、
それまで個人のヒーローものが多かった警察小説の中で、
集団を持ち込み、刑事達のチームワークを描いたところにある。


加えて、ニューヨークをモデルにしたと思われる、
町のリアルな描写が、多くの読者を引き付けた。


警察の捜査活動、登場人物の私生活を、克明に描いたことも新鮮だった。


『87分署シリーズ』 は、50年に渡って続き、
計56作が発表された。


国内外問わず多くの映画化・ドラマ化が行われたが、
なかでも、シリーズ第10作、『キングの身代金』 は、
黒澤明監督の手により、『天国と地獄』 として映画化され、
大ヒットした。


古今東西の多くの映画・テレビドラマに、
『87分署シリーズ』 を模倣したと思われる作品があり、


それらを探し出し見比べるのも原作ファン、
映画・ドラマファンにとっては、楽しみのひとつである。





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